研究課題/領域番号 |
18402008
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
佐竹 元吉 お茶の水女子大学, 生活環境研究センター, 客員教授 (10170713)
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研究分担者 |
冨永 典子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (30164031)
駒城 素子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (10077480)
香西 みどり お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (10262354)
森光 康次郎 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (00244533)
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キーワード | ミャンマー / 少数民族 / 民俗学 / 植物 / 食物 |
研究概要 |
ミャンマーの少数民族の生活改善に必要な食生活の向上、衣料素材の開発、水質の改善、医薬資源植物の活用を目的として、19年度は以下のことを行った。 1.食生活に用いる野菜を市街地と山間部のマーケットで収集調査した。国内事情で調査時期が遅れたので全般的な網羅は出来なかった。サラダジンジャーに、強いヒト血小板凝集阻害活性を認め、その活性画分を単離精製中で、本年度1つの成分を同定した。 ミャンマー産のムクナ豆の調理性に関して、吸水性を向上させ、L-DOPA量を減少させる調理法を検討した。 2.衣料素材の面からは、染色素材としてミャンマー産スティックラックから抽出した成分をクロマトグラフィーにより分離分析し、ブータン産、インドネシア産の成分と比較し、未媒染での絹、羊毛に対する染色性を比較検討した。 3.水質について、本年は北部のインドージー湖と中部のインレー湖の調査を行った。インドージー湖のアオコは本年も観察され、聞き取り調査によって、ずっと以前から夏になるとほぼ定常的に見られること、発生地点付近に周囲の山からの伏流水の湧水があるとの情報を得た。来年度は垂直の水質調査を考えている。両方の湖の湖水中の農薬、ヒ素の分析をし、いずれも検出限界以下であることが判明した。 4.薬用植物はインドージー湖畔で浮きイネと浮きジュズダマを採取し、地元の薬草販売人から数種の薬草を紹介された。今後現植物名を調査の予定である。マンダレーでは中国系の生薬店とミャンマーの薬用植物を扱う店、ヤンゴンではインド系の生薬専門店を調査した。また、ヤンゴンでは伝統医学病院及び伝統医学医院を訪問した。医院はミャンマーの伝統医学に基づいて治療を行っており、薬草園が併設され、門前に薬局があり、利用される薬は処方してあった。市場調査した薬草に関しては基原色物を明らかにして少数民族の人たちの使いやすい本にまとめる予定である。
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