研究課題
基盤研究(C)
本研究において、H18年度は、糖尿病性血管障害モデルの培養細胞系として、培養ヒト臍帯静脈内皮細胞の高グルコース状態における細胞障害生起をメインに用いた。この系において、生細胞中のグルタチオン依存系抗酸化能が極端に低下していることを確認し、その原因としてグルタチオンのグルタチオンペルオキシダーゼおよびグルタチオンレダクターゼに対する補酵素活性が低下していることが考えられた。この根本原因物質については、マススペクトルおよびNMRスペクトルを用いて現在解析中である。さらに、H18年度はヒト腎メサンギウム細胞についても培養系を立ち上げ、正常の生細胞における過酸化水素消去系の状態を、研究代表者らが開発した方法で検討した。これによって、培養ヒト腎メサンギウム細胞における正常状態の抗酸化能を把握することができた。今後、この培養ヒト腎メサンギウム細胞においても糖尿病性血管障害モデルの系としての条件設定を検討する。また、研究分担者が作製したシスチントランスポーター(xCT)ノックアウトマウスを用いて、ストレプトゾトシンを投与することでの糖尿病発症のし易さを現在検討しているところである。本研究では、防御因子の探索の一環として、吸血性昆虫由来の生理活性物質が高グルコース障害を来した培養細胞に与える影響についても検討を行う予定であるが、本年度はまず吸血性昆虫を飼育し基礎実験を行った。今後、独自のスクリーニング系の構築を行っていきたい。
すべて 2006
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Appl.Eviron.Microbiol. 72,11
ページ: 7349-7352