研究課題/領域番号 |
18520157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 淳二 北海道大学, 大学院文学研究科, 助教授 (30282544)
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研究分担者 |
阿尾 安泰 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (10202459)
増田 真 京都大学, 文学研究科, 助教授 (10238909)
辻部 大介 福岡大学, 人文学部, 助教授 (30313183)
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キーワード | フランス思想史 / フランス文学 / 政治と文学 / 日仏比較思想 |
研究概要 |
本研究は、フランス啓蒙思想における「法」の表象を批判的に検討することを主な目的にしているが、今年度は、2007年7月に開催される国際18世紀学会フランス大会(モンペリエ大学)における研究発表を一つの目標としてその準備を進めることを主とした。研究代表者の佐藤は、18世紀の啓蒙思想のなかでこれまであまり顧みられなかった旅行記の分野での比較政治思想とでもいうべき研究の可能性を、「法」の検討のいわば歴史的コンテクストとして示した(「ラペルーズあるいは啓蒙の大航海者」岩波書店『太平洋周航記』訳者解説)。また、フランスで開催された日仏の比較文化論のシンポジウムで、日本における身体と政治との関係を中心に発表し、フランスの研究者と刺激的な意見交換をすることができた。研究分担者の増田は、ルソーの『ダランベールへの手紙』(これは数年来のわれわれが共同研究のテーマとしてしばしば取り上げてきた作品である)における「法と共同体」の関係を論じ(《Lois et spectacles dans la communaute》)、大きな成果をあげた。また、モンテスキュー(辻部)と18世紀の共同体思想(阿尾)の検討も進んでおり、2007年には国際的舞台などで続々と発表される予定である。以上の経過から、「法」という多義的な概念が、18世紀を境として古典的なものからモダンな存在仕方に変遷する諸局面を、文学や表象といった局面から明らかにしようという本研究の意義は確認されたといえよう。引き続き、具体的な「法」観念の研究を進め、国際学会での発表につなげたい。
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