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2007 年度 実績報告書

日本手話のいわゆる類別詞構文研究

研究課題

研究課題/領域番号 18520344
研究機関神戸市立工業高等専門学校

研究代表者

今里 典子  神戸市立工業高等専門学校, 一般科, 准教授 (90259903)

キーワード日本手話 / 類別詞 / 移動事象 / 形態論 / 認知意味論 / 連続動詞 / 構文 / 類型論
研究概要

日本手話(JSL)において,動詞が類別詞(classifier:CL)を含む表現をさまざまな地域で撮影し,サイナーのメタデータを参考に,整理・編集・分析し,CLが含まれる最も典型的な構文は移動事象を表す構文であることを見た上で,移動構文について,
1.様態動詞と2種類の第1・2さ経路動詞の組み合わせによる連続動詞構造をとり,
2.動詞構造は一定のルール「(第2経路動詞と他の動詞の)方向一致制限」に従い,
3.様態を表す要素が先に,経路を表す要素が後に現れる傾向があり,
4.様態動詞単独で移動表現をつくることは,特別な条件がない限り不可能であり,
5.第1経路動詞には必ずCLが現れるが第2経路動詞には必ずしもその必要がない.
等を明らかにした(今里2007a,b).しかしこのような構造がさらに複雑な種類の移動構文(caused motionやfictive motion等)に引き継がれるのか,他のCL構文(使役や,やる・もらうの構文等)とどのような関係があるのかは今後の課題である.またSlobin (2004)ら等は,連続動詞構造をもつ言語は,移動表現を対象としたTalmyの2分法の類型理論では扱えないと批判し,いわゆるV言語とS言語の間に段階を設け,その中ほどに連続動詞言語を位置づけるべきと主張する.実際どちらの(または別の)考え方が適切なのかを明らかにするためには,JSLのような連続動詞言語の実証的研究を急ぐ必要がある.今後の課題を実行するため,JSLのコーパス作成も必要である(今里2008).JSLのCL構文を説明する理論を構築することは,手話言語学研究のコンテクストだけでなく,音声言語におけるほかのCL構文・動詞連続構造をもつ言語との相違点を明らかにでき,広く一般言語学の研究の流れの中でも意義深い.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] JSLコーパスの構築を目指して2008

    • 著者名/発表者名
      今里 典子
    • 雑誌名

      神戸高専研究紀要46号

      ページ: 109-113

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] JSLの移動構文について:動詞に注目した予備的研究2007

    • 著者名/発表者名
      今里 典子
    • 雑誌名

      神戸言語学論叢 第5号

      ページ: 69-78

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [学会発表] JSLの移動表現について2007

    • 著者名/発表者名
      今里 典子
    • 学会等名
      日本手話学会
    • 発表場所
      日本社会事業大学
    • 年月日
      2007-09-16
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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