研究課題
基盤研究(C)
本研究は、日本近代化の過程において東北地方がどのように西洋文化と向き合ったのか、キリスト教宣教師の活動を中心に考察しようとしたものである。本研究期間においては、メソジスト派の宣教師文書や女性宣教師の影響力を示す史料解読、および津軽地方に強い影響力を残した宣教師について、アメリカ・インディアナ州での史料調査を行った。メソジスト派の婦人宣教師の活動および津軽地方におけるその影響力については、弘前女学校の史料を中心に収集、解読、考察を行うと共に、弘前市立図書館所蔵の和徳小学校史料など、明治期の教育史料を併せて解読することにより、明治20年代から30年代にかけての津軽地方におけるメソジスト派女性宣教師の影響力についての考察をまとめた。また、アメリカで発掘した新資料は、津軽地方への西洋文化導入に大きな役割を果たしたジョン・イングの自筆書簡、あるいはイングが日本や中国滞在中に母国の宣教雑誌などに投稿した記事などである。これまでその存在をまったく知られていなかった、貴重なものであり、これらの資料を解読・翻訳することにより、これまで一方的に日本人サイドからの視点のみで語られてきたイング像に新たなイメージを加えることができた。特に自筆書簡は、宣教師や教師としての職責以外のイングの本音を示唆する内容を含んでおり、宣教師のあり方を考えさせる内容となっている。以上の研究経緯により、本研究期間内では、津軽地方を中心として、文明開化期の地方における文化受容の多様な姿の一端を明らかにできたと考えている。
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