本研究は、以下の三課題を追究することにより、日本の帝国統治の特色・特徴を明らかにし、東アジアにおける帝国日本の位置を明らかにしようとするものである。 (1) 日本の政府、軍部、その他機関が「公式帝国」「非公式帝国」でどのような阿片・麻薬政策を実施し、それが現地の社会や人々の生活にどのような影響を与えたのかを探り、それを通して、日本の帝国統治における阿片麻薬政策の意義を明らかにする。 (2) 阿片・麻薬類の国際管理体制の形成という20世紀初頭から第一次大戦期までの国際的課題に対する日本の対応、及び、国際聯盟を中心とする国際管理の実施過程における日本の役割(あるいは、果たすことが期待されていた役割)を検討し、その意義を明らかにする。 (3) 日本人による中国各地での阿片・麻薬類の密輸や密売の実態を解明し、その意義を明らかにする。
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