研究課題/領域番号 |
18530526
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
上林 靖子 中央大学, 文学部, 教授 (50132874)
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研究分担者 |
中田 洋二郎 立正大学, 心理学部, 教授 (20106214)
緑川 晶 中央大学, 文学部, 講師 (90421833)
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キーワード | LD / ADHD / 幼児用行動評価尺度 / 就学前診断 / 就学準備性形成 / 親指導 |
研究概要 |
軽度発達障害のスクリーニングに必要な行動項目を抽出することを目的に臨床例の評価について検討すべく、関連機関の協力を得てデータを集積した。使用した行動評価尺度は、Achenbachらにより開発された行動評価尺度で、保護者が記入するCBCL1.5〜5才用、保育士、幼稚園教諭が記入するC-TRFの2種類である。対象は発達障害クリニック、地域の発達支援センター、大学の心理相談室などを訪れ、医学的診断を受けている就学前の子どもである。これまでのところ、親による評価、356例、幼稚園・保育園の担当者による評価287例についてのデータを集積した。これらについて解析するための入力を進めている。(上林) 多動とLDの危険性をもつ年長幼児に対する言語・認知発達教育プログラムによる指導と効果の検討を行った。前年度に実施した日野市内幼稚園・保育園の発達診断検査と行動評価をから、4名が多動とLDのリスクの併せもつと診断された。2007年6月より、週2回(各90分)就学準備性の形成を目的にした以下の4種のプログラムにより、個別指導を行った。(1)ひらがなの読み(2)ひらがなの書き(3)語彙プログラム(4)数量、算数入門用プログラム。同時に、3名には、母親を対象に、子どもの行動の問題を理解し、適切な養育行動をとれるようにすることを目的にした親指導プログラムを実施した。これら指導は、2008年3月まで行われ、終了時に、就学準備性検査、チェックリストとCPT、アクティグラフを用いて、評価を行った。つづいてこれらにより、指導訓練の効果を検討する。(緑川・天野) コミュニティにおける軽度発達障害の評価とケアの実態を公開された科学的資料を基に検討した。就学直前の5歳児健診の実施が広がっており、島根県では、発達障害の有病率8.2〜9.3%とされた。これらの大半が3才児健診で問題指摘がなかったと報告された。このことは、軽度発達障害の発見時期が、現状では幼児期後半になることを意味する。より早期に発見し、就学までのケアシステムとして、幼児SSTや保護者向けの心理教育など具体的支援を確立しなければならない。(中田)
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