研究概要 |
(1)1920年代中葉の全米レベルの女性大学教員がおかれた状況を、当時おこなわれた二つの全国調査(ノースカロライナ女性大学に置かれていた研究所がおこなったハッチンソンの調査およびアメリカ女性大学人協会(American Association of University Women,AAUW.)がおこなった女性大学教員の地位に関する調査)とこれらを補足する数種の調査を合わせることによって、(1)Ph.D.学位取得理由およびPh.D.取得後に就いた職種、(2)婚姻状況と就職状況、(3)大学での雇用状況、(4)女性Ph.D.学位取得者たちが直面した諸課題の四点について、本研究プロジェクトの4つの研究課題(Research Questions)のうち、課題「大学への就職にあたって、女性を排除しようとする政策にはどのようなものがあったのか」という観点から明らかにした。 (2)本研究プロジェクトの研究課題の一つ「女性大学教員は、全米レベルでの大学教員のプロフェッショナル化をどのように評価しどのような対応をしていったのか」を解明するために、女性大学教員たちの連合組織であるAAUWが1920年代に行った、会員校の加盟審査(基準認定=アクレディテーション)の過程で、当時、協会が加盟審査の際の条件として掲げていた「女性教員への配慮(給与等の性差別の撤廃や女性学生部長職の有無など、四項目)」が、実際にどのように審査されていったのかを、加盟を申請した個々の事例(たとえば、ニューヨーク大学、ニューハンプシャー大学、コルビー・カレッジなど)について、同協会のアーカイブズ文書を分析することによって明らかにした。
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