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タイヒミュラー空間とは曲面上の複素構造の同値類からなる空間であり、その幾何構造は極めて複雑な様相を呈していることがよく知られている。例えばタイヒミュラー距離は「双曲的」ではあるが、実際には双曲ではない。本研究では、タイヒミュラー空間を曲面の錐状特異点付きユークリッド構造の同値類とみなしたときに得られる幾何構造について調べることを目的とする。そのためのタイヒミュラー空間の新しい大域パラメタによるタイヒミュラー空間の新しい距離の導入、写像類群の作用、タイヒミュラー空間の境界およびタイヒミュラー複素曲線の記述を得ることを目的としている。
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