研究概要 |
(1)不確実性補題は,ユークリッド空間においては,離散スペクトルの有限・無限性の簿ダーラインを示す重要なものであったが,連携研究者の芥川一雄氏との共同研究において,この不確実性補題を,非常に広いクラスのノンコンパクト・リーマン多様体の上に,一般化した.さらに,考える空間をいくつかの特別なものにしたとき,その具体形を確定した. (2)真性スペクトルの下限が正であるとき,その値未満にある離散固有値は,一般に,無限にも有限にもなり得る.それが,有限か,無限であるかについての曲率のボーダーラインを決定した. (3)連携研究者の芥川一雄氏は,正の山辺不変量に関する手術理論の研究を行った. (4)連携研究者の加須栄篤氏は,グラフ理論の立場からの研究を行い,倉持境界の重要性を示した. これらの結果は,リーマン多様体の解析的構造の研究において,非常に基本的かつ重要なものである.
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