研究課題
基盤研究(C)
1.超重元素合成法のうち冷融合過程において、測定された融合反応励起関数(56Fe+208Pb)と超重元素残留断面積(1N反応)との間に矛盾がある可能性を指摘した。融合反応実験のデータの正確さに問題がある可能性もあるが(いわゆる準分裂の混入)、それを解決する可能性としていわゆる殻補正エネルギーの励起エネルギー依存性の重要性を指摘した。[論文4]2.励起複合核から超重元素の残留断面積を計算するための統計崩壊電算機コードが、ほぼ完成した。現在、弱い崩壊過程であるガンマ線放出過程をも取り入れる作業を行っている。近く、内容を専門誌に論文として投稿し、電算機コードKEWPIE IIを公開する予定である。なお、この研究を主要内容として、Anthony Marchix氏が学位論文を準備中である。秋には、Caen大に提出される予定である。3.ラプラス変換を用いてLangevin方程式を解く方法を展開した。簡単な系について解析的にもとめ、解の特徴を分析し、複雑な現実的計算結果の解釈に役立てる。多自由度系について、摩擦力が強い、いわゆるOverdampedの場合について一般的な解析的解を求めた。重イオン融合反応に於ける入射系の質量非対称の効果についての分析に有用であると期待される。さらに、記憶効果のある場合についても解析解及び数値解を比較し、新しい数値解のアルゴリズムを確立した。[論文2]4.さらに、二つの原子核がCoulomb障壁を越えた後どのようにひとつの原子核を形成するか検討を始めた。具体的には、2原子核系のいわゆるNeckを埋める過程の速さと動径運動の速さの比較を始めた。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
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