研究課題
基盤研究(C)
生体内の結合組織を構成する弾性タンパク質エラスチンの基本構造グリシン-バリン-グリシン-バリン-プロリンから成るpoly(GVGVP)_<251>)と疎水性アミノ酸フェニルアラニンと共にカチオン性のグルタミン酸を導入した荷電陛を持つグルタミン酸を導入したpoly{(GVGVP)(GVGFP)(GEGFP)(GVGVP)(GVGFP)(GFGFP)}_nについて濃度、昇温速度、撹搾速度、pHなどの諸条件を種々検討し、下限臨界温度(LCST)以上の温度における安定したナノ粒子化条件を求めた。poly(GVGVP)_<251>)水溶液(5mg/ml)を0℃まで冷却した後42℃まで昇温速度(slow heating,fast heating)を変化させて凝集させ、ナノ粒子の形成条件について検討したところ、^<60>Coガンマ線照射により安定した架橋ナノ粒子を得ることはできなかった。一方、高濃度(25mg/ml)の水溶液を凝集温度以上の温度(42℃)の水に滴下した場合には放射線量の増加に応じて150nm程度の大きさの架橋粒子が定量的に得られた。またDPHを用いた蛍光強度の測定からナノ粒子化に伴い、粒子内に疎水的な領域が増加していることも確認できた。さらに円二色性分光法により得られたスペクトルから昇温後のポリペプチドがTypeIIβ-turn構造を形成することが安定なナノ粒子を得るために不可欠である可能性が示された。poly{(GVGVP)(GVGFP)(GEGFP)(GVGVP)(GVGFP)(GFGFP)}_nについてはナノ粒子化の最適条件を求めるために水溶液の昇温条件に加え、塩濃度、pHなど種々の条件を検討した結果、7mg/mlの10mMリン酸緩衝液溶液(pH7.4)を0℃から本ポリペプチドの凝集温度以上の温度、50℃まで30分間かけて昇温させた場合に効率よく60〜80nmのナノ粒子が得られることを確認した。さらに凝集温度以上の温度条件下で^<60>Coガンマ線照射を行ったところ、乳化剤などの粒子化試薬なしにナノサイズの均一なナノ粒子を得ることに成功した。この粒子に対して抗がん剤として汎用されているシスプラチンが担持されることを確認し、現在徐放特性について検討中である。
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