研究課題/領域番号 |
18590853
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
横崎 恭之 広島大学, 保健管理センター, 助教授 (80210607)
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研究分担者 |
中田 光 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (80207802)
森本 泰夫 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (30258628)
山下 敬介 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 助教授 (40166666)
東川 史子 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 助手 (70346534)
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キーワード | オステオポンチン / トランスグルタミナーゼ / 肺線維症 / インテグリン |
研究概要 |
特発性間質性肺炎と健常肺の肺組織で遺伝子発現を網羅的に比較すると、特発性問質性肺炎で最も亢進しているのがオステオポンチンである。オステオポンチンは生体内で重合を受け活性が高まる報告がある。本研究では、オステオポンチンの重合が線維化に及ぼす影響を検討する。 オステオポンチンの重合による活性化は、まだその機序が十分に明らかでない。そこで、18年度は試験管内でリコンビナントオステオポンチンをトランスグルタミナーゼにより重合させ、活性化の機序を検討した。重合化(ポリマー)オステオポンチンをプレートにコートした場合、通常のモノマーのオステオポンチンに比べSW480細胞は強い接着性を示した。プレートへのコート後上清中の残存オステオポンチンはモノマーが22%、ポリマーが28%であり、接着性の差はオステオポンチンのコーティング効率の差ではない事を確認した。モノマーに対する接着はインテグリン抗体、抗α5β1、αvβ5により完全に失われたが、ポリマーに対する接着は完全に阻害できなかった。しかしポリマーに対する接着は抗β1抗体を加える事により完全に阻害された。そこで、SW480細胞に発現しているβ1インテグリンα1β1、α2β1、α3β1、α6β1個々に対して、抗体を用いて接着阻害効果を観察し、新たにα3β1が受容体として機能することを見いだした。さらに重合オステオポンチン上でHUVE細胞を培養したところ、著明な伸展と接着班の形成を確認した。また重合オステオポンチンに対してはSW480細胞の遊走もモノマーに比して亢進しており、これもインテグリン抗体で抑制される事を確認した。以上から、ポリマーオステオポンチンはインテグリンを介した細胞との相互作用を増強することが確かめられた。
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