研究課題/領域番号 |
18590853
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
横崎 恭之 広島大学, 保健管理センター, 准教授 (80210607)
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研究分担者 |
中田 光 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (80207802)
森本 泰夫 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (30258628)
山下 敬介 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40166666)
東川 史子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70346534)
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キーワード | オステオポンチン / トランスグルタミナーゼ / 肺線維症 / インテグリン / 重合 / 好中球 |
研究概要 |
平成18年度には、オステオポンチンはトランスグルタミナーゼによる重合を受ける事によって、インテグリンとの相互作用を増強することを見出した。そこで、平成19年度はこの増強が肺の線維化にどのようにかかわっているかを解析するため、相互作用増強による生物活性の変化を検討した。 その手がかりとして、平成18年度に示したように重合によってオステオポンチンは新しくインテグリンα3β1を受容体とするなど、受容体インテグリンのレパートリーを変えることが分かったため、他のインテグリンに関しても相互作用を確かめた。その結果α9β1を介して細胞接着を行う事がわかった。α9β1は白血球のうち好中球に特異的に発現しており、好中球の遊走に関与している。そこで、α9β1強制発現細胞を用いて遊走実験を行ったところ、重合オステオポンチンに対して強い重合を認めた。そこで、ヒト好中球の重合オステオポンチンに対する遊走を水平遊走解析装置EZ-Taxiscanを用いて確かめたところ、著明な遊走がみられ、一方、単量体オステオポンチンに対しては全く遊走がみられなかった。この遊走は抗インテグリンα9β1抗体により阻害された。次にin vivoでも同様に縦走が見られるか腹腔内に重合オステオポンチンを注入したところ、3-6時間をピークとする好中球の集積が見られた。以上より重合オステオポンチンは好中球の走化因子であり、肺線維症において肺損傷をもたらす好中球を集積させている可能性が示唆された。
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