研究課題
基盤研究(C)
ペインクリニックにおける痛みの治療は内服薬、神経ブロック、理学療法などがある。最近の高齢化に伴い、合併症を持つ患者に神経ブロックなどができない場合、非侵襲で副作用が少ないのか光線療法である。我々は光線照射による細動脈の微小循環の変化をウサギ耳透明窓法(Rabbi Ear Chamber法)を用いて直視下に観察した。低出力レーザー照射(レーザー群)および直線偏光近赤外線照射(近赤外線群)で細動脈の血管径、血流速度、血流量を測定した。細動脈の血管径は照射前を100%とすると対照群では101.9±5.9%に対して、レーザー群は130.1±10.4%に、近赤外線群では125.2±16.9%となり、対照群に比べ有意に上昇した(p<0.05)。血流速度および血流量も同様の傾向を示し、有意に光線照射で細動脈の血流が増加した(p<0.05)。全身および局所への副作用が少ない光線療法は微小循環改善作用があり、補助的治療に有用と考えられた。レーザー照射は、ペインクリニック領域では非常によく用いられている治療手段である。神経ブロック療法や薬物療法などの治療法との併用あるいは適切な単独使用により良い効果が得られている。我々の研究も含めてこれまでの基礎的研究からレーザー治療による鎮痛作用の機序として、末梢神経の選択的興奮伝導抑制血管に対しては血管平滑筋弛緩、交感神経抑制による細動脈の拡張などが考えられる。レーザー治療は鎮痛作用に加えて、抗炎症作用や創傷治癒促進作用もある。
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