研究課題/領域番号 |
18632001
|
研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
浅野 和生 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80167890)
|
研究分担者 |
益田 朋幸 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70257236)
|
キーワード | ビザンティン帝国 / 美術史 / 建築史 / 都市史 / ヴェネツィア / オスマン・トルコ帝国 / ギリシア / エーゲ海 |
研究概要 |
浅野と益田は、平成18年8月24日から9月10日にかけてギリシアを訪れた。 各都市での課題は、キリスト教聖堂を住民がどのように建設・維持してきたかということを、建築やその立地などの現地調査や、住民からの聞き取り調査などで明らかにすることであったが、本研究は企画調査であるので、そのような研究方法が可能であるかどうかを確かめることを主な課題とした。 訪れた都市・村落と聖堂は次の通り。 ・ミストラ(アギア・ソフィア聖堂、アギイ・テオドリ聖堂、パンタナッサ修道院、ペリブレプトス修道院など) ・モネンヴァシア(エルコメノス・クリスティ聖堂、アギア・ソフィア聖堂) ・ナクソス島(パナギア・ドロシアニ聖堂、プロトスロニ聖堂、アギオス・ゲオルギオス・ディアソリティス聖堂、アギオス・ニコラオス聖堂、アギオス・イオアニス聖堂、パナギア・フィロティッサ聖堂、ローマ・カトリックの大聖堂など多数) ミストラとモネンヴァシアはすでに観光地化されていて、写真撮影は自由であった。ナクソス島では、ギリシア分化省から撮影許可を取得し、写真撮影をおこなった。 ナクソス島のフィロティ村では、ここで生まれ、学校教員として働き、退職したマノリス氏から、村の中心であるパナギア・フィロティッサ聖堂についての話をくわしく聞いた。この聖堂は、1976年の村人の寄進により壁画が描かれ、マノリス氏もその制作に立ち会っているので、くわしい体験談を聞くことができた。 ナクソス島には13世紀から16世紀までのヴェネツィア支配時代の文化財、16世紀から19世紀までのトルコ支配時代の文化財もあり、西欧美術・建築やイスラム美術・建築を専門とする研究者と調査団を組んで調査をおこなえば、積層・錯綜した島の文化活動を、ギリシア人とは違った目で見直すことができるという見通しが立てられた。 以上の成果の一端は、平成19年4月7日の日本ビザンツ学会大会で浅野が発表した。
|