平成18・19年度、真空凍結乾燥機と「最速乾燥システム」の比較解析、乾燥システムの検証を行った。比較指標となる繊維組成・繊維細胞状態や添加物の変質のデータを採取した。測定機器として、下記のものを用いた。 ○ハイパードライ(最速乾燥システム)、[日本バイオコン株式会社、開発用ラボ機HD-LAB]専門的知識提供を日本バイオコン株式会社にえて、乾燥テストを実施した。 ○新規真空凍結乾燥機による性能テストを実施した。 これらの分析によって、被災アーカイブズ状態→乾燥後の繊維を観察して、繊維組成・繊維細胞状態や添加物の変質について明らかにした。「最速乾燥システム」の被災アーカイブズ復元に関わる時間的経費節約さらに効率化がもたらす特徴は検証した。真空凍結乾燥では、2日間-48時間の乾燥時間が必要である。一方、ハイパードライ(最速乾燥システム)の場合、40分で終了した。しかし、比較指標となる繊維組成・繊維細胞状態や添加物の変質を観察すると、自然乾燥時の変質と同様の状態になることが明らかとなった。今後は、変質の程度を軽減するため、ハイパードライ(最速乾燥システム)の操作方法の改良が必要であることが判明した。また、改良によってよりよい乾燥結果を得られることも検証できた。
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