マイクロ培養容器を用いたガス産生微生物の選択分離装置の試作を行った。堆積した多数のマイクロ培養容器の大部分が、たとえ内部にガスが発生したとしても、他のマイクロ培養容器の層の下に位置する場合は容易に浮上できないという問題点を解決するために、円環状の容器の内部にマイクロ培養容器を堆積させ、円環を回転させることにより沈殿状態を保ったまま撹搾できる装置を設計し、試作した。マイクロ培養容器を入れる円環構造はシリコン樹脂のチューブをT字型ジョイントで連結した構造をもち、これを回転速度を制御できるドライバにセットして、毎分1回転でゆっくり回転させながらマイクロ培養容器を攪拌した。少量のマイクロ培養容器を用いて、微生物を含むマイクロ培養容器をジョイントから注入して回転させることで試作段階ではマイクロ培養容器の攪拌ができた。しかしながらその形状が必ずしも真球ではなく、攪拌の程度によっては発生したガスがマイクロ培養容器から失われる場合もあり結果は安定しなかったが、引き続き課題として条件を変えながら最適化に取り組む予定である。 マイクロ培養容器を用いたガス産生微生物の単離実験 燃料ガス産生微生物試料等の採取を離島環境において実施し、この装置を用いて採取した微生物等の分離を行った。約250サンプル中から20種の微生物の単離(単離マイクロ培養容器の破壊と内部微生物のスラント培養により微生物コロニーを確認)に成功し、現在rRNA配列の解析により微生物種を同定中である。
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