研究分担者 |
辻川 真弓 三重大学, 医学部, 准教授 (40249355)
今井 奈妙 三重大学, 医学部, 准教授 (90331743)
西出 りつ子 三重大学, 医学部, 准教授 (50283544)
杉浦 絹子 三重大学, 医学部, 准教授 (50378296)
本田 育美 三重大学, 医学部, 准教授 (30273204)
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研究概要 |
本年度は,ケアクリニックの実施によって,看護相談事業の有効性に関するデータを抽出した。 (1)ケア相談・ケア提供における有効性は,来談者の気持ちの表出ならびに,生活指導や予防的支援樗,症状緩和に関して有効と考えられた。看護教員が臨地にもたらす新しい知識や技術は,ケア提供の質をあげる効果があるものと考えられた。 (2)看護基礎教育・大学院教育における有効性は,具体的には,臨地で用いられている機材や指導用具を教材として活用することで,学生にリアリティをもって実践を伝えることができたり,教員の看護実践に学生を取り込むことによって,より看護者としての自覚を促すことが可能になった。また,教員が実践者とともに看護することによって,理論と実践が相乗的に結びつき,特に大学院生の看護実践における考察が深まるなどの効果が認められた。 (3)ケア物品の提供・開発における有効性は,臨地で実践ずる看護教員の必要性や対応した患者のニーズから,物品開発か促されたり,新しく商品化された使い勝手の良いケア用品の臨地への導入などが促進された。また,教材として借用した臨地で用いられているケア用品が,学生の柔軟な工夫によって改善されたり,修正されたりした。臨地の看護職や学生のより良いケア物品への要求が高まり,物品開発の良い循環が生み出され始めた。 (4)保健・医療・福祉支援システムの改善・開発における有効性は,例えば一人の患者の退院から在宅療養に向けての支援のあり方として,具体的に構築きれていく中で見出されつつある。一人一人のケースの積み重ねが,看護教員にとっては,地域の現状を把握する機会となった。これらのケース別の支援体制づくりは,地域のネットワークを活性化させ,新たなケースの発生時の対応をよリスピーディに行うことに役立った。このような不文律の連携システムは,施設の枠を超えた地域のセイフティネットワークとして活用するととが十分に可能であると考えられた。
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