研究概要 |
本研究の目的は、ミシガン大学のケース・スタディをもとに、大学図書館が実施する学習・教育支援について次の課題を検討することにある。 (1)教育活動を背景として、大学図書館がどのような学習・教育支援を実施しているのか。 (2)教育活動を背景として、教員と図書館員がどのように連携を構築しているのか。 (3)教育活動を背景とした教員と図書館員の連携の構築に影響を与える要因は何か。 平成17年度までに、この3つの観点から、アーラム・カレッジ(教養カレッジ)の調査(4回)を実施し、データ分析を進めている。(1)(2)については、記述的ケース・スタディとして学会誌への出版が予定されている(「アーラム・カレッジの図書館が実施する学習・教育支援のケース・スタディ」『Library and Information Science』2007、No.57)。現在は、この成果をもとに,(3)についての解釈的ケース・スタディの作成を進めている。 平成18年度には、ミシガン大学の美術・デザイン研究科のフイールド・ライブラリアン(field librarian :部局に派遣されて、部局の教職員と学生を対象に図書館サービスを実施する図書館員)に支援を受けた教員への聞き取り調査を実施し、フイールド・ライブラリアンから受けた支援の内容と方法、支援を受けた内容の教育活動への反映状況、教員が考えるフイールド・ライブラリアンの意義を明らかにした。平成19年度には、古代史及び女性学の各研究科において平成18年度と同様の調査を実施する。また、フィールド・ライブラリアンの設置に携わったミシガン大学関係者への聞き取り調査を実施し、関連する内部資料を収集する。そして、収集したデータをもとに、アーラム・カレッジのケース・スタディと同様の手順によって記述的ケース・スタディ及び解釈的ケース・スタディを作成する。
|