土壌には多種多様な微生物が生息しており、生態系における栄養塩や金属元素等の物質循環に重要な役割を果たしている。それ故、農耕地において作物が収穫できるのは、これら微生物の働きによるところが大きい。本研究では、水田土壌に生息する細菌群集に着目し、放射線に暴露された時の反応、そして土壌から溶出したイオンや元素量の変化について検討した。1 Gy/dayの線量率で5日間ガンマ線に連続暴露された水田土壌では、微生物群集の種組成が変化すること、そして溶存鉄濃度が低くなる一方で、硫酸イオン濃度が高くなることを明らかにした。
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