世界的なエネルギー高騰が続く中、運搬手段たるパイプラインを有する国の重要性も増してきている。 本研究では、第一に既存パイプラインはこれに依存する生産国ロシアの脆弱性となっており両国間で相互依存を保つ意味があること、第二にパイプラインは消費国が保有しており、ロシアへの対抗手段であると同時に民族主義的なヨーロッパ統合政策に向けた外交手段となること、第三に、しかしながら国際市況におけるエネルギー価格の暴騰や消費国をバイパスする代替ルート建設計画により、相互依存が非対称になり、消費国がロシアに対し譲歩を強いられていることを解明した。
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