本研究の目的は、(1)Q上定義された楕円曲線の有理的ねじれ群に関するMazur の定理のQ曲線への一般化と(2)ビルディングブロックの有理的ねじれ群のuniversalboundness 予想の定式化である。 本研究助成により、(1)については中心的Q曲線の場合にほぼ完全に解決し、JNTB 誌において発表した。(2)については、ビルディングブロックの有理的ねじれ群のデータを集めるために、BrumerによるGL2-typeのJacobi多様体の族に関して、ゼータ関数を計算した。形式群を用いた代数的にゼータ関数を計算する方法を開発した点が新しい。 今後、得られたデータを解析し、ビルディングブロックのuniversal boundness予想を定式化したいと考えている。特に、ビルディングブロックの有理的ねじれ群の位数は次元のみによる定数で抑えられると期待している。
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