研究概要 |
楕円量子群、楕円変形W代数の自由場表示を考察し、その応用として、無限個の可換な作用素を構成した.特に大きな結果としては、楕円量子群U_{q,p}(sl_N^)の自由場表示を一般のレベルkで構成したことと、楕円変形W-代数W_{q,t}(gl_N^)に付随した2系列(それぞれ局所保存則および非局所保存則とよぶ)の無限個の可換な作用素の族をレベルk=1で構成したことが挙げられる.これらの可換作用素は、古典可積分方程式N-th KdV方程式の保存則およびモノドロミーの楕円量子化と捉えられる.三角関数への退化極限において、さらに一歩進めて、BaxterのQ作用素をsl_N^対称性において構成し、量子可積分系のBaxterのT-Q関係式を導き、これが古典可積分系のHirota-Miwa方程式の特殊ケースであることを示した.
|