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2006 年度 実績報告書

Akt経路による癌悪性化メカニズムの解明と創薬への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18790048
研究機関東京大学

研究代表者

樋口 麻衣子  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30420235)

キーワードAkt / 癌悪性化 / 細胞運動 / 浸潤
研究概要

Aktは原癌遺伝子で、様々な癌で異常な活性化が観察されており、またAktの異常な活性化は癌の悪性度や抗癌剤耐性と相関が高いことが報告されているため、Akt経路は創薬ターゲットとして有効であると考えられる。しかし、Akt経路は正常細胞の増殖・生存やインスリン経路に重要な役割を果たしているため、Akt経路をやみくもに抑制することは生体にとって有害となる可能性が考えられる。そこで本研究では、「Aktの過度な活性化を抑制する」あるいは「Aktの癌悪性化と関わりの深い機能のみを抑制する」ことを目的とした。
これまでに、Racの下流で活性化したPAKが、PDK1-Akt経路のscaffold分子として機能し、Aktを活性化することを示唆する結果を得ていたが、PAKがscaffold分子であるかを証明するためにはPAK上のPDK1およびAktの結合部位を明らかにする必要があった。本研究では、PAKの種々の変異体を作製し、PAK上のPDK1、Akt結合部位を明らかにした。今後、PAKのPDK1/Akt結合部位がAktの活性化に必要かどうか検討する予定である。
細胞が運動するためには、伸長する先端部と退縮する尾部という前後の極性が形成されることが重要であり、このとき、細胞の前方においてPI(3,4,5)P3が正のフィードバックを起こして局所的に集積することが報告されている。そこで、Rac/Cdc42の下流で活性化されるAktもPI(3,4,5)P3のフィードバックに関与する可能性について検討を行った。これまでに、pdk1をノックアウトした細胞、および優性抑制型Aktを発現した細胞ではPI(3,4,5)P3の局所的集積が起こらなくなり、極性形成とそれに引き続く細胞運動が抑制されていることを見出した。今後、Aktを活性化するだけでPI(3,4,5)P3の集積が起こるかどうか検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] The PI3K-Akt pathway promotes microtubule stabilization in migrating fibroblasts.2007

    • 著者名/発表者名
      Onishi, K.et al.
    • 雑誌名

      Genes to Cells 12

      ページ: 535-546

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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