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2007 年度 実績報告書

レドックス変化に伴う酸性スフィンゴミエリナーゼの発現誘導機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18790064
研究機関北里大学

研究代表者

熊谷 剛  北里大学, 薬学部, 助教 (30365184)

キーワード脂質 / シグナル伝達 / ストレス
研究概要

本年度は、以下の二点について、解析を行った。
1親電子性物質によるASMasm発現誘導に関与する転写因子の同定
前年度の研究より、親電子性物質によるASMaseの発現誘導に、これまで発現制御の報告がないシス配列(CRE1)が関与することを明らかにした。CRE1は、様々な抗酸化酵素や解毒代謝酵素の発現を制御している転写因子Nrf2(NF-E2 related factor 2)の結合配列と類似していたことから、Nrf2の関与について検討した。その結果、細胞にNrf2を強制発現することにより、親電子性物質によるASMaseの発現誘導は充進し、逆にsiRNAを用いてNrf2の発現を抑制することにより、ASMaseの発現は抑制された。さらにNrf2が直接CRE1に結合するのかをEMSAにより検討した結果、実際にNrf2がCRE1に結合することが証明された。以上の結果から、親電子性物質によるASMaseの発現誘導にはNrf2のCRE1への結合が関与していることが明らかとなった。これまでNrf2が、ASMaseのような脂質代謝酵素の発現を制御しているとの報告はなく、本研究で得られた成果はNrf2の新規の機能として非常に興味深い発見と考えられる。
2.発現誘導されるASMaseの生理的意義の解明
発現誘導されたASMaseは、脂質メディエーターであるセラミドを生成し、種々の細胞応答を引き起こすことが予想される。そこで発現誘導されるASMaseの生理的意義を明らかにするために、ASMase特異的阻害剤およびsiRNAを用いた解析により、親電子性物質による細胞死誘導に与える影響について検討した。その結果、阻害剤およびsiRNA処理は、親電子性物質により誘導される細胞死を部分的に抑制した。さらに細胞死への詳細な解析を行ったところ、細胞死の中でも特にアポトーシスを抑制することが示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 親電子性物質による細胞死誘導における酸性スフィンゴミェリナーゼの関与2008

    • 著者名/発表者名
      熊谷 剛
    • 学会等名
      第145回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      相模原市(神奈川県)
    • 年月日
      2008-03-28
  • [学会発表] ヒドロキノンにより誘導される酸性スフィンゴミェリナーゼは細胞死誘導に関与する2007

    • 著者名/発表者名
      熊谷 剛
    • 学会等名
      フォーラム2007 衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 発表場所
      大阪市(大阪府)
    • 年月日
      20071101-02
  • [学会発表] Induction of acidic sphingomyelinase by electrophiles in human bladder cells2007

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Kumagai
    • 学会等名
      48th International Conference on the Bioscience of Lipids
    • 発表場所
      トゥルク(フィンランド)
    • 年月日
      20070904-08
  • [学会発表] 親電子性物質による酸性スフィンゴミェリナーゼの発現誘導2007

    • 著者名/発表者名
      熊谷 剛
    • 学会等名
      第80回日本生化学会大会第30回日本分子生物学会年会 合同大会
    • 発表場所
      横浜市(神奈川県)
    • 年月日
      2007-12-14
  • [学会発表] 酸化ストレスによる細胞死における酸性スフィンゴミェリナーゼの関与の検討2007

    • 著者名/発表者名
      熊谷 剛
    • 学会等名
      第49回日本脂質生化学会
    • 発表場所
      札幌市(北海道)
    • 年月日
      2007-06-06

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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