Purα-mRNPに含まれる新規タンパクC9orf10のポリソーム結合領域を解析するため、RNA結合性があると予測されるC端側のグリシンリッチな部分(GFP-GG)とその領域を除いた部分(GFP-delta GG)のGFP融合タンパク質を作製した。これらtruncateをNG108-15細胞内で発現させ、sucrose gradientにより解析したところ、GFP-C9orf10はポリソームの遠心パターンと同様の挙動を示した。一方で、GFP-GGとGFP-delta GGについては、リボソームサブユニットに結合している遠心パターンであった。この結果から、C9orf10は全長がないとポリソームには結合しないことが示唆された。これまでに、C9orf10がpoly(A)mRNAを介してポリソームに結合していることを報告しているが、C9orf10にはC端側のグリシンリッチな部分(Gly-rich)のほかに膜結合モチーフ(TM)が4箇所存在する。そこで、これらの構造が細胞内分布にどのように関係するかを調べた。その結果、C9orf10のN末端側にあるTM1、TM2のみを融合したGFPタンパク質は、シスゴルジ領域に局在し、いくつかのマーカータンパク質と共局在した。また以前に、C端側のグリシンリッチな部分は核に集積することを観察したが、この領域にあるRGG配列あるいはGRG配列のR(リジン)をA(アラニン)に変換したところ、核への集積は抑制された。このことは、核への集積にRが必要であることを示唆している。
|