1型糖尿病モデル動物であるnon obese diabetic(NOD)マウスを用いて、出生前後の各時期において摂取する必須脂肪酸比率(n-6/n-3)が、1型糖尿病の発症前後の病態にどのように影響を与えるのかについて検討した。その結果、胎盤および母乳を介して摂取する必須脂肪酸比率は、仔の1型糖尿病発症に深く影響する可能性が示され、この時期の摂取比率を調節することにより1型糖尿病発症を予防できる可能性が示唆された。また、顕性糖尿病発症後早期に食餌中の必須脂肪酸比率を低く抑えることにより、生存日数が延長し、病態の改善を促す可能性が示唆された。以上より、1型糖尿病の予防および治療において適正な必須脂肪酸比率が存在する可能性が示唆された。
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