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2006 年度 実績報告書

原発性眼瞼痙攣患者の脳内中枢性ベンゾジアゼピン受容体密度

研究課題

研究課題/領域番号 18791310
研究機関(財)東京都高齢者研究・福祉振興財団

研究代表者

鈴木 幸久  (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (00415506)

キーワード眼瞼痙攣 / ジストニア / ポジトロン断層法
研究概要

ポジトロン断層法(PET)を用いて、原発性眼瞼痙攣症例18例(男性5例、女性13例、平均年齢53.2±7.6歳)の脳内中枢性ベンゾジアゼピン受容体密度を測定した。正常人19例(男性9例、女性10例、平均年齢50.3±9.2歳)をコントロールとした。頭部3D MRI撮影を全症例に対して施行し、脳の形態的変化を調べ、器質的な異常が見られないことを確認した。また、全症例のT1強調MRIを標準化し、患者群と正常群とで灰白質の密度に差がないかどうか画像解析ソフトstatistical parametric mapping(SPM)を用いて統計解析を行った。PET撮影においては、^<11>C-フルマゼニール(FMZ)300MBqを静注し、その後20分間のemission撮影を行ってベンゾジアゼピン受容体密度を測定した。全症例の全てのPET画像を標準化した後、同様にSPMを用いて統計解析をした。
MRI解析においては、患者群と正常群とで灰白質の密度に差はなかった。PET画像解析においては、両)島皮質と右)弁蓋部に中枢性ベンゾジアゼピン受容体密度の低下がみられた(P<0.05,corrected)。
眼瞼痙攣はジストニアの一型と考えられており、ジストニアの病因としてGABA抑制系の異常や体性感覚の異常が提唱されている。島弁蓋部は体性感覚に関わっていると報告されている。また、島皮質は、視覚や体性感覚などの入力が存在し、感覚の統合を行っており(Augustine 1996)、痛覚の認知や予測にも関与している(Ploghaus 1999)。眼瞼痙攣患者は羞明や眼痛(photophobia)を訴えることが多く、島皮質の機能異常が関係している可能性がある。島弁蓋部の中枢性ベンゾジアゼピン受容体密度の低下が眼瞼痙攣発症の一因である可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Glucose hypermetabolism in the thalamus of patients with essential blepharospasm.2007

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Y, Mizoguchi S, Kiyosawa M, Mochizuki M, Ishiwata K, Wakakura M, Ishii K
    • 雑誌名

      Journal of Neurology (in press)

  • [雑誌論文] PETによる中枢機能画像2006

    • 著者名/発表者名
      鈴木幸久, 清澤源弘
    • 雑誌名

      眼科 48巻

      ページ: 1521-1528

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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