研究課題/領域番号 |
18H00681
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
池田 佳子 関西大学, 国際部, 教授 (90447847)
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研究分担者 |
高梨 克也 京都大学, 情報学研究科, 研究員 (30423049)
秋谷 直矩 山口大学, 国際総合科学部, 講師 (10589998)
山崎 晶子 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (00325896)
森 朋子 関西大学, 教育推進部, 教授 (50397767)
Barke Andrew 関西大学, 外国語学部, 教授 (90615741)
嶋津 百代 関西大学, 外国語学部, 准教授 (90756868)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 企業の国際化 / 外国人材雇用 / 異文化間コミュニケーション / 職場の国際化推進 |
研究実績の概要 |
本研究では、異文化間コミュニケーション能力(山岸1995, Byram1997)の切り口から、この対策に取組む。具体的には、国内企業の日本人・外国人ビジネスパーソンの異文化間コミュニケーション能力(対話実践能力)を養成する、新しい教育プログラムの開発を行う。まず、エスノメソドロジー・会話分析にルーツを持つ「ワークプレース研究」の手法を用いて、外国人材が働く企業で現場の談話データを分析し、これらのエピソードに含まれる a) 異文化間アクションの引き金となる行為者が対処すべき【状況】、 b) その状況に対処するための【アクション】、そして c) そのアクションによって生み出される(価値付けを持った)【効果】 という3要素を特定する。次に、これらを取り込んだ「評価指標(ルーブリック)」を構築する。そして、この指標を軸とし、自己の言語行動の観察・考察手法を応用した異文化間能力を養成する教育モデルを提案する。 2018年度は研究期間初年次であり、国際化に取り組む企業の調査作業と、海外においてベンチマークとなる外国人雇用を進める企業(日系企業を含む)と多く接触し、今後の活動への協力依頼を行った。また、国内において外国人ビジネスパーソンを多く採用し、また他企業のコンサルテーションを行っている専門家とのミーティングを実現し、今後の活動の方向性を固めることができた。 異文化間コミュニケーションの問題について、企業人の実際の意見を収集するために、フォーカスグループを3度実施し、そのディスカッションのデータについては調査リソースとして現在分析を進めている。次年度(2019年度)は、実際の研修プログラムの開発を中心に活動を進める計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分担者間の分業により、調査への協力を仰ぐことができる企業数は、計画当初よりも増加した。また、幾度かの研究打ち合わせを行い、海外の実例をベンチマークとして参考にすることで、次年度以降の計画内容が、より企業人が求めるものへ改善できる目途が立ったと考えている。 中間成果発表および本研究の広報を兼ねて、本年度は招待講演・ワークショップなどを積極的に受諾し行った。その結果、2019年度においても、外国人起業家とのフォーカスグループや、実際に社会人となった留学生達へのフォローアップ調査などへも協力を得ることができるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
2019-2020度に外国人材と日本人同僚が共働する現場(ワークプレース)において多種の場面のインタラクションのエスノグラフィー調査を行い、異文化間アクションの引き金となる【状況】の談話のビデオ収録を行い、データ・コーパスを構築する。 2019年10月には、タイからの招へい研究者(パンヤピワット経営大学)を含め、本研究テーマに関する学術成果発表会を実施する予定である。異文化コミュニケーション研修プログラムについては、ウェブベースの学習プラットフォームを設置し、随時そこへプログラム内容をアップさせていく作業を行う。
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