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2020 年度 実績報告書

大規模コーパスに基づく発信型和英連語辞書の構築に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 18H00693
研究機関九州大学

研究代表者

内田 諭  九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (20589254)

研究分担者 内田 聖二  奈良大学, その他部局等, 特別研究員 (00108416)
赤野 一郎  京都外国語大学, 外国語学部, 名誉教授 (50104633)
Danny Minn  北九州市立大学, 基盤教育センター, 准教授 (60382412)
工藤 洋路  玉川大学, 文学部, 教授 (60509173)
石井 康毅  成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (70530103)
ハズウェル クリストファー  九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (90536088)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード和英連語辞書 / コロケーション / コーパス / フレーズ / CEFR
研究実績の概要

本研究の目的は、発信型の和英連語辞書の基盤を構築することである。従来の和英辞書は「単語」を基礎単位として編纂されているが、本研究では「連語」を基礎単位とし、フレーズベースの日本語および英語表現を中心に辞書の基盤を構築する。
この目的を達成するため、2020年度には、前年度までに完了した(1)見出し語の選定、(2)連語表現の抽出、(3)連語表現の英訳の試行の結果を受けて、連語表現の整理および連語表現の英訳を継続的に実施した。連語表現の整理にあたっては、日本人英語学習者(特に高校生)をメインターゲットとして有益なものとなるように項目の選定を行った。その結果、約15,000件の表現を選定し、これらの英訳作業および確認作業を進めた。
さらに、連語表現の難易度について、発信と受信の両方の観点からの評価を試行した。この実験では、英語母語話者と日本人英語教員の評価をそれぞれ実施し、難易度評価の違いや意識の違いなどを考察した。その結果、日本人英語教員のほうが発信場面での連語表現の使用が難しいと判断する傾向が明らかになった。その中には連語表現の構成単語が単純なもの(問題視する=see as a problem、体が熱い=feel hot、営業時間=business hoursなどA1(初級)レベルの単語のみからなる表現を含む)も含まれており、このようなアイテムについてはより詳細な検討が必要であることが明らかになった。また、公開用ウェブサイトの構築のための下準備を行い(新規サーバーの準備、データベース作成手順の確認等)、成果公開に向けての作業を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度は新型コロナウィルスの影響で成果発表の機会が減ったが、前年度に体系化した辞書構築作業を着実に進めることができた。約15,000件の表現の収集・英訳を完了し、難易度評価の実験も実施することができたため、研究は順調に進捗していると判断できる。

今後の研究の推進方策

2021年度は本プロジェクトの最終年度にあたるため、収集したデータの整理、不足部分の補強、データの公開を進める。現在、データは表形式で整理しているが、検索性を高めるため、データベース形式に変換する予定である。また、ウェブサイトを構築し、辞書およびデータベースの公開準備を進める。連語難易度の判定については前年度に明らかになった課題を軸に考察を進め、連語単位でのCEFRレベル付与の可能性について検討する。さらに、本プロジェクトのテーマと関連の深い学会や論文集などで成果を発表する予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 英語読解教材のCEFRレベルの推定 : CVLAの妥当性評価2021

    • 著者名/発表者名
      内田諭, 根岸雅史
    • 雑誌名

      Journal of Corpus-based Lexicology Studies

      巻: 3 ページ: 1-14

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「クジラの公式」再考2020

    • 著者名/発表者名
      内田聖二
    • 雑誌名

      英語語法文法研究

      巻: 27 ページ: 70-84

    • 査読あり
  • [学会発表] 辞書力を鍛える2021

    • 著者名/発表者名
      赤野一郎
    • 学会等名
      関西英語辞書学研究会・JACET英語辞書研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] Text Profile: CEFR-J Text Profileの概要とCVLAの使い方2020

    • 著者名/発表者名
      内田諭
    • 学会等名
      CEFR-J 2020 シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] Current issues in English education at Japanese high schools2020

    • 著者名/発表者名
      Satoru Uchida
    • 学会等名
      Q-Webinar of Collaborative Studies on SDGs in Asia
  • [学会発表] A corpus based approach to creating an advanced wordbook for university students2020

    • 著者名/発表者名
      Satoru Uchida, Takehiko Shimizu, Saaya Kimura
    • 学会等名
      JAECS2020
    • 国際学会
  • [学会発表] CEFR-J Grammar Profileの概要と活用法2020

    • 著者名/発表者名
      石井康毅
    • 学会等名
      CEFR-J 2020 シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] Higher-level explicature: Implications for comparative linguistics2020

    • 著者名/発表者名
      Seiji Uchida
    • 学会等名
      EPICS IX
    • 国際学会
  • [図書] Another look at “Cat in the rain”: A cognitive pragmatic approach to text analysis. In A. Piskorska (ed). Relevance Theory, Figuration, and Continuity in Pragmatics2020

    • 著者名/発表者名
      Seiji Uchida
    • 総ページ数
      357
    • 出版者
      John Benjamins
    • ISBN
      9789027205544
  • [図書] ことばとスコープ2 否定表現2020

    • 著者名/発表者名
      内田聖二他編, 五十嵐海理著
    • 総ページ数
      253
    • 出版者
      研究社
    • ISBN
      9784327238087
  • [図書] ワードクエスト:世界とつながる上級英単2020

    • 著者名/発表者名
      内田諭・稲垣紫緒(監修)九州大学共創学部ワードクエスト編集委員会(編著)
    • 総ページ数
      308
    • 出版者
      九州大学出版会
    • ISBN
      9784798502878

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公開日: 2021-12-27  

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