研究課題
イラク、クルディスタンの二つの遺跡の発掘調査を2022年に実施した。1.新アッシリア時代の拠点都市ヤシン・テペ遺跡の調査ではアクロポリスと下の町地区の発掘を行った。アクロポリスの文化層の堆積を確認のため斜面にステップトレンチを設定し掘り下げた。上層からイスラム時代、鉄器時代、ウルク期、ウバイド期、サマラ期、ハッスーナ期の堆積を検出し、同遺跡の文化編年を究明することができた。下の町地区の調査では新アッシリア時代の神殿等の公的建造物と推測される幅90cmの石壁で構築された複数の部屋跡、中庭の石敷き、水路等で構成された遺構を発見した。他に、これまでの調査で出土した人骨研究、衛星データを利用したヤシン・テペ周辺の景観研究、青銅製品を主とした出土遺物の保存修復作業を実施した。2.シャフリゾール平原に所在するシャイフ・マリフ遺跡Ⅱ号丘では、前6000年頃の後期新石器時代と推測される層を調査し井戸址等を検出し、多くの土器・石器等の考古資料を採集することができた。同平原の調査では同時代の資料の発見は初である。シリア、テル・タバンの05~10年の調査で出土した古バビロニア、中期・新アッシリア時代の未公表の重要遺構と遺物に焦点を置き出版に向け整理作業を実施した。古バビロニアの遺物、中期アッシリアの地下式巨大煉瓦造墓・王宮建物跡の遺物、中期アッシリアから新アッシリアの過渡期層の遺構遺物のトレース及び図版作製を行った。東大総合研究博物館に保管されているイラク、テル・サラサート1号丘出土の古バビロニア時代の土器資料の整理分析を実施し、同資料の正確な年代を特定した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 図書 (3件)
都市文明の本質:古代西アジアにおける都市の発生と変容の学際研究
巻: 5 ページ: 35-49
巻: 5 ページ: 63-74
Deciphering Assyria: A Tribute to Simo Parpola on the Occasion of his 80th Birthday, Melammu Workshops and Monographs
巻: 9 ページ: 407-434
The Oxford History of the Ancient Near East
巻: 4 ページ: 161-256
巻: 5 ページ: 75-85
第30回西アジア発掘調査報告会報告集
巻: 30 ページ: 113-118
Zeitschrift fur Assyriologie und vorderasiatische Archaologie
巻: 113(2) ページ: 250-265
巻: 30 ページ: 36-41
Proceedings of the 12th International Congress on the Archaeology of the Ancient Near East
巻: 2 ページ: 415-428
Ancient Civilizations and Cultural Resources
巻: 1 ページ: 1-22
巻: 1 ページ: 547-558
Bulletin of the School of Oriental and African Studies
巻: 84(3) ページ: 565-567
The Neo-assyrian King as a nodal point of Neo-Assyrian Identity, Kasion
巻: 8 ページ: 273-294
Journal of Cuneiform Studies
巻: 74 ページ: 109-129
オリエンテ
巻: 65 ページ: 8-12
西アジア考古学
巻: 23 ページ: 111-125