研究課題/領域番号 |
18H00898
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
銭 佑錫 中京大学, 経営学部, 教授 (00329658)
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研究分担者 |
苑 志佳 立正大学, 経済学部, 教授 (00308123)
板垣 博 武蔵大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (20125884)
糸久 正人 法政大学, 社会学部, 准教授 (60609949)
安保 哲夫 神戸大学, 経済経営研究所, リサーチフェロー (90013028)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 日本型経営・生産システム / 海外子会社 / 東アジア / 組織能力 |
研究実績の概要 |
本研究は、本研究グループが過去(1992年、1993年、2002年)に日本型経営・生産システムの移転可能性をテーマに調査研究した東アジア6ヵ国(韓国、台湾、タイ、マレーシア、シンガポール、中国)の日系企業76社に対する再調査を行うことによって、時間の経過とともに日本型経営・生産システムの移転度合いがどのように変化したのか、その結果と理由は何かを明らかにしようとするものである。その際、日本型経営・生産システムの移転度合いの変化に影響を及ぼす可能性がある要因としては、同システムの有効性の変化、海外拠点の戦略的位置づけ・事業内容・役割の変化、当該地域の経済社会的な環境の変化などに注目する。 したがって本研究は、現地訪問インタビュー調査と研究会を通じた調査結果の解釈・分析によって実施される。平成30年度には、韓国(1回)、台湾(2回)、タイ(1回)、マレーシア(2回)の日本企業の現地拠点を訪問し、日本型経営・生産システムの移転度合いに関するインタビュー調査を行った。なお、その実施計画と結果検討のための研究会を計10回行っている。現地訪問調査結果の分析は現在進行中であるが、現地の賃金高騰(マレーシア)、長年の操業経験による現地拠点の組織能力の蓄積(韓国・台湾)などによる現地拠点の役割の変化が観測されており、今後のデータ集計によって明らかになるであろう日本型経営・生産システムの移転度合いの変化に対する解釈において重要な要因となることが予想される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由としては、平成30年度において当初の計画通り、4ヶ国(韓国、台湾、タイ、マレーシア)に対する現地訪問調査を通じて、日系現地法人20拠点における日本型経営・生産システムの移転状況について調査を行っている点を挙げることができる。また、日系企業を含む外資系企業の受け皿となっている、韓国の自由貿易地域と台湾の輸出加工区の管理局を訪問し同地区の過去20年間の変化について調査ができたことも本研究の趣旨からして大きな収穫となった。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度(令和元年度)には、当初の計画通り、夏季休暇と春期休暇を利用してタイと中国の日系企業における日本型経営・生産システムの移転度合い、同システムの有効性の変化、各拠点の戦略的位置づけ・事業内容・役割の変化、当該地域の経済社会的な環境の変化などについて現地訪問調査を行うとともに、月1回のペースで研究会を開催し現地調査の実施計画と調査結果の解釈・分析に努める。最終年度である令和2年度には、それまでの2年間の現地調査結果のまとめと分析に注力するが、必要に応じて小規模な補足現地調査を行う予定である。
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