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2020 年度 実績報告書

言語を通じた市場創造に関する実証的研究:制度的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 18H00905
研究機関一橋大学

研究代表者

松井 剛  一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (70323912)

研究分担者 鈴木 智子  一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (20621759)
EDMAN Jesper  早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (20615976)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード言語 / 市場創造 / 制度理論 / 文化社会学 / 制度
研究実績の概要

市場創造において言語が果たす役割について制度主義的観点から検討することを目指す本研究の成果は3つに分けられる。
第1に、言語を通じた市場創造について、引き続き文献研究および理論的検討を進めた。本研究のポジショニングを明確にするために、特に文化社会学、認知 社会学、制度理論における最新の理論的展開と、それらの関係性、埋めるべきリサーチギャップについての検討を深めた。
第2に、令和元年度まで進めてきた言語を通じた市場創造の国内事例「雑貨」についての調査をさらに深耕した。雑貨市場の成立に大きな役割を果たした文化屋雑貨店店主への聞き取り調査をさらに進めるとともに、雑誌記事などの関連資料の収集・分析を進めた。本事例研究の成果は、既にAssociation for Consumer Research(ACR)年次大会(令和元年10月)にて、ビデオグラフィー「Zakka: The Uncategorized Culture of Uncategorized Goods - An Oral History of an Uncategorized Man」で発表され、Best First-Time Videography Awardを受賞し、国際的に高い評価を受けた。研究の進捗は、こうした評価から得られたフィードバックに基づいている。
第3に、言語を通じた市場創造の海外事例「日本食のアメリカにおける歴史的発展」についての理論的検討、調査計画の検討を進めた。「hibachi」「umami」、「omakase」といったキーワードが市場創造で大きな役割を果たしているプロセスを、既存資料などで確認した上で、現地調査の方法論などについて検討した。またタイ国バンコク市における日本食市場についてこれまで進めてきた調査についての論文執筆・投稿も進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上述の「研究実績の概要」の3点それぞれについて、以下のような理由から、総合的に「おおむね順調に進展している」と考える。
第1に、言語を通じた市場創造について文献研究および理論的検討は順調に進展しており、その内容は、現在に至るまで続けている研究において活用されている。
第2に、言語を通じた市場創造の国内事例「雑貨」については、ACRで発表したビデオグラフィーについての反響やフィードバックが多くあり、論文化・書籍化に向けて多くの重要なヒントを得た。
第3に、言語を通じた市場創造の海外事例「日本食のアメリカにおける歴史的発展」については、令和4年2月から開始予定のアメリカにおける現地調査の実施に向けて、研究計画の詳細について検討することができた。またタイ国バンコク市における日本食市場に関する論文執筆についての議論も前進した。

今後の研究の推進方策

言語を通じた市場創造の国際事例として、研究代表者を中心に、日本食のアメリカ社会への定着についての研究を精力的に進める予定である。研究代表者は、 令和4年2月よりニューヨーク大学社会学部の客員研究員として在外研究に従事している。その主要な目的は、本科研費の研究プロジェクトをすすめることにある。
日本食のアメリカ社会での定着過程においては、「hibachi」「umami」、「omakase」といった新しい概念が広まり、それが日本食のマーケティングにおいて活 用されてきた歴史的な経緯がある。先行研究の検討の結果、他の外国料理(ethnic cuisine)、例えば中国料理のアメリカ社会での定着については分厚い研究の蓄積があるものの、日本食の定着については、非常に研究が乏しい。また、外国料理というカテゴリーが言語的に定着し、普及するというプロセスに関する研究は、社会学やマーケティング領域において、十分進められているとは言い難い。
本科研費では、このリサーチギャップを埋めるために現地調査を進める。同時に、理論的な発展のための検討も同時に進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 消費者が語るナラティブのダイナミクス―インターネット上での「炎上」に関する解釈分析―2020

    • 著者名/発表者名
      増田 明子、松井 剛、津村 将章
    • 雑誌名

      JSMDレビュー

      巻: 4 ページ: 25~32

    • DOI

      10.32299/jsmdreview.4.1_25

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 新たな消費習慣の言語化と制度化:「応援消費」というフレーミングを事例に2020

    • 著者名/発表者名
      松井 剛、増田 明子、津村 将章
    • 学会等名
      第61回消費者行動研究コンファレンス

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公開日: 2023-12-25  

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