研究課題
テレビ会議システムを用いたリアルタイムの遠隔授業を対象に、他者の表出が見られず、自分の表出も見られることがない条件(①)と、テレビ会議システム上で他者の表出を見ることができ、自分の表出も見られる可能性がある条件(②)と、教室で普通に対面授業をする条件(③)で受講者の顔映像と心拍情報を取得し,集中度・覚醒度と関係が深いpNN50という指標を調査した.その結果、①<②<③の順で集中度・覚醒度が高くなった.さらに、①のうなずきが誰にも見られない条件でも、うなずいた際に心拍に集中・覚醒状態への変化が見られた.これより、うなずきという行為自体が集中・覚醒度を高めるという仮説を得た.そこで、遠隔リアルタイムで受講者の顔が見えないときと同様に,うなずきを見る相手がいないオンデマンド授業においても、受講者のうなずきによる集中度・覚醒度の上昇が観察されるならば仮説の蓋然性が高まると考えて実験を実施した.その結果、自発的誘発的にうなずいた受講者の集中度・覚醒度の上昇が観察され、仮説は支持された.しかし、画面上の他者のうなずきに合わせてうなずくように強制された受講者では集中度・覚醒度が低下していた.これより、単純にうなずけば集中度・覚醒度が上がるという訳ではなく、内的な誘因が関わっていることが示唆された.また、遠隔授業での表出が相手を意識した評価行動となっているかどうかを確認することは、表出を収集・集計して提示することの適切性を検証する上で重要である.そこで、対面授業③の受講者は相手を意識した表出を行っていると仮定し、①や②の受講者のうなずきなどの表出の生起タイミングが③の受講者と一致していれば遠隔でも相手を意識した表出が行われていると考えた.結果は対面授業の表出とタイミングが一致している部分もあるが、異なる部分も多数あり、個人差も大きいことから、今回の実験結果からは関係が明確にならなかった.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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