研究課題/領域番号 |
18H01067
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
札野 順 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (90229089)
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研究分担者 |
小林 幸人 熊本高等専門学校, 共通教育科(八代キャンパス), 教授 (20321523)
安居 光國 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40200498)
片倉 啓雄 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (50263207)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 技術者教育 / 技術者倫理 / well-being / ポジティブ心理学 / 福利 |
研究実績の概要 |
日本の実情にあった技術者のwell-beingモデルの構築とその構成要素の測定尺度に関する検討を開始した。具体的には、Martin Seligmanが提唱するPERMAモデルが日本の技術者のwell-beingについても適用可能であるかを検討した。また、豪州南オーストラリア州のWellbeing and Resilience Centreが採用しているPERMA+モデルについても調査した。加えて、技術者のwell-being とresilienceおよび利他性の関係を明らかにする必要性を認識した。 質が高く社会に貢献する仕事(Good Work)を為した技術者に関する情報収集を開始した。 本課題の目的・方法及び進捗状況は、2018年8月に開催された日本工学教育協会年次大会のオーガナイズドセッションで発表し、参加者をまじえて議論した。また、同様の発表および検討は、2018年11月に開催された日本工学教育協会主催の技術者倫理教育ワークシップでも行われた。 2019年4月には、メルボルン大学ポジティブ心理学研究センターの海外研究協力者3名を招へいし、技術者のwell-beingモデルの構築とその構成要素の測定尺度について議論した。その結果をさらに吟味した測定尺度原案を、研究代表者らが、2019年7月にメルボルン大学を訪問して、精査した。その成果として、基本属性、勤務期間、勤務形態、倫理教育受講有無、に加え、Well-being(PERMAH日本語版)人生満足度(SWLS)、社会的価値志向性・利他性(価値志向性尺度から「社会」に関する項目を抜粋)、仕事の意味、準拠集団を測定するアンケート用紙を完成させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
日本の実情にあった技術者のwell-beingモデルの構築に予想以上に時間がかかってしまった。当初想定していたwell-being構成要素だけでなく、日本人の利他性を考慮する必要性が明確になった。また、GoodWorkを為した技術者の事例収集も、個人情報の問題などもありスムースに進まなかった。 このため、当初、2018年12月に予定していたメルボルン大学の海外研究協力者3名の招へいを2019年4月に変更し、研究代表者らのメルボルン大学訪問を、2019年7月に延期したため。
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今後の研究の推進方策 |
できるだけ、早い時期に、作成した技術者のアンケート質問票を、研究代表者、研究分担者らが関係のある企業において実施する。また、Goodworkをなした技術者についての事例を収集・分析し、そのような技術者がもつ能力・態度・資質を明らかにするための構造化インタビューの質問項目を検討する。
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