研究課題
基盤研究(B)
上部マントルを構成する鉱物(かんらん石や輝石)に着目し、グラファイトを含む多結晶かんらん石やグラファイトを含む多結晶輝石の焼結を目標とした。出発物質に用いる鉱物粉末の粉砕条件(粉砕時の回転速度・回転時間・冷却温度・冷却時間、回転冷却サイクル・溶媒等)や焼成条件(粉末粒径、焼成時の温度・保持時間など)の試行錯誤を繰り返した結果、グラファイトを微量含む多結晶体とグラファイトを含まない多結晶体を焼結することが可能となった。
固体地球科学
初期地球の上部マントル浅部にはグラファイトが比較的多く存在した可能性が指摘されており、グラファイトがプレートの硬さにどのような影響を及ぼすのか注目される。この問題を実験的に解決するためには、まず、グラファイトを含む上部マントル物質を再現する必要がある。本研究によってグラファイトを微量含む多結晶体とグラファイトを含まない多結晶体を焼結することが可能となったので、今後の物性実験によってグラファイトがプレート強度に及ぼす影響の評価が期待される。