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2019 年度 実績報告書

ヒトとイヌのコミュニケーション方法の解明・応用

研究課題

研究課題/領域番号 18H01400
研究機関東北大学

研究代表者

大野 和則  東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (70379486)

研究分担者 永澤 美保  麻布大学, 獣医学部, 講師 (70533082)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードイヌの行動計測 / 非侵襲 / GNSS / 心拍変動
研究実績の概要

屋外で訓練中のイヌと人間の関係をウェアラブルな装置を用いて計測する方法を開発する。訓練中のイヌのモチベーション、イヌとハンドラーの位置関係、ハンドラーの声がけのタイミングをイヌと人間に付けた計測装置で計測する。

本年度は、昨年度までに開発した計測技術を利用して、屋外で被災者捜索の訓練中のイヌと人間の関係を計測するウェアラブルな計測装置を改良した。特に、全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System (GNSS ))から得られる衛星からの電 波を後処理で解析して一周波のRTK測位解を得ることで、イヌと人間の間の距離を数cmから数十cm の高精度で計測することを実現した。また、改良した計測装置を利用して、イヌの移動軌跡、イヌとハンドラーの位置関係、ハンドラー声がけのタイミングなどを継続して計測した。計測は日本救助犬協会の複数の認定救助犬とハンドラーの協力のもとで行った。これらの蓄積したイヌと人間が協調して被災者捜索を行うデータを解析して、捜索中のイヌの行動を表す特徴の数値化と、それを利用した個々のイヌの捜索の特徴の可視化を行った。可視化には、複数の特徴のバランスを確認しやすいヘキサグラムを利用した。

心電計測については、装置の改良や解析方法の改良を行ったものの、実際の捜索などのタスクを計測するところまでは至らなかった。今後は、捜索中のイヌの心電計測等にも取り組み、イヌのモチベーションを含むデータの収集を試みる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

イヌと人間が連携した被災者捜索の計測を継続して行い、データを蓄積した。計測した軌跡データや声がけのデータを解析することで、救助犬の捜索の特徴をヘキサグラムを利用して可視化出来るようになった。数値化することで、それぞれのイヌの特徴を比較することも可能になった。この結果は、計測に協力していただいた日本救助犬協会のハンドラの方の把握しているイヌの特徴とも一致していることを確認した。一部については、改善案をもらうことができた。これまで、経験的に捕らえられていた特徴を数値として判断できるようになった。また、心電計測についても、計測技術や解析技術については目処がたった。

本年度得られた上記の成果は、国内の学会でも報告を行った。また、海外のイヌの専門家の意見も取り入れるため国際会議の発表申請を行い受理された。

今後の研究の推進方策

今後も、開発した計測装置を利用してイヌと人間の関係の計測を継続して行う。また、心電計測についても、計測技術や解析技術については目処が立ったため、イヌ等に装着して計測を行う。また、評価を行うための指標の策定については、専門家の意見も入れつつ改良を行っていく。

COVID-19の影響もあり、実際の計測や、専門家を交えた意見交換ができる時期は不透明である。事態が収束するのを見計らって、安全を重視しながら計測を進めて行く。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Canine Motion Control using Bright Spotlight Devices Mounted on a Suit2019

    • 著者名/発表者名
      1.Hiroyuki Nishinoma, Kazunori Ohno, Takefumi Kikusui, Miho Nagasawa, Naoko Tsuchihashi, Shohei Matsushita, Tomoha Mikayama, Sakiko Tomori, Maaya Saito, Mikuru Murayama, Satoshi Tadokoro
    • 雑誌名

      IEEE Transaction Transactions on Medical Robotics and Bionics

      巻: 1 ページ: 189-198

    • DOI

      10.1109/TMRB.2019.2930343

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] イヌ研究のすゝめ2020

    • 著者名/発表者名
      大野和則
    • 学会等名
      SICE北陸支部特別講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] オープンスカイ環境でヒトとイヌの協調連携行動を計測するスーツの開発2019

    • 著者名/発表者名
      田村涼一郎、大野和則、山田健斗、鈴木太郎、西野間洋之、永澤美保、菊水健史、田所諭
    • 学会等名
      計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会論文集
  • [学会発表] サイバー救助犬とタフなセンシング技術2019

    • 著者名/発表者名
      大野和則
    • 学会等名
      VIEW OS基調講演
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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