研究課題/領域番号 |
18H01641
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 昌彦 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (40155859)
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研究分担者 |
磯辺 篤彦 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00281189)
清水 健一 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (20533946)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 水中グライダー / バーチャルモアリング / 浅海域 / 運動制御 / シミュレータ / 模型試験 / 水槽試験 |
研究実績の概要 |
環境変化の予測,環境保全に関する研究のためには、深い海域だけでなく沿岸の水深50m以浅の超浅海域の海洋データも必要である。従来の手法としては係留ブイや観測船による観測が考えられるが多点観測に時間がかかりコストも非常に高い。そこで、観測海域に留まり(バーチャルモアリング)連続して海洋の鉛直データ時系列や流速分布を低コストで収集できる超浅海域で使用可能なバーチャルモアリング用水中グライダーを開発する。開発コストを下げ、開発期間を短縮するため、模型や実機の艇体は研究代表者らが開発した現有水中グライダーを改造して使用する。 今年度は研究計画に基づき、(Ⅰ)水槽試験による水中グライダー模型の運動制御性能評価とコントローラの改良、(Ⅱ)実機用可動翼を製作しスラスターとともに艇体への組み込みを行い、実機水中グライダー機体を完成、(Ⅲ)水槽試験による実機水中グライダーの運動性能の検証を行った。 (Ⅰ)では前年度構築したシミュレータを使用して水中グライダー模型用運動制御コントローラを設計し、グライダーが水面に浮上中に波浪などの外乱の中でスラスターを使用して船首方位を制御可能かどうか、下降・上昇滑空中に可動翼や重心移動装置を利用して針路制御が可能かどうかを水槽試験により検討した。水槽試験は必繰り返し実施し、コントロール性能の向上を図った。(Ⅱ)では実機用の動翼付き垂直尾翼・スラスターを製作し、艇体への取り付けを行った。(Ⅲ)ではまずスラスターの推力計測試験を行った。水槽における滑空試験は実験中に浮力調整装置が故障し、修理に時間を要するため、次年度へ試験を継続することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
模型を使用した水槽試験結果は円盤型水中グライダーがバーチャルモアリングを浅海域で行うのに十分な性能であることを示した。また、模型試験結果を基に実機用の動翼付き垂直尾翼とスラスターを製作の上、艇体への取り付けが完了した。スラスター推力計測試験も実施済みである。さらに水槽における実機の滑空試験に研究を進めることができた。よって、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は水槽において、実機を使用した、浮上中におけるスラスターによる船首方位制御試験、滑空中の針路維持制御試験を行い、コントローラのチューニングを行う予定である。また、グライダーの運動性能検証のために実海域試験を実施し、研究の総括を行う計画である。
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