研究課題
基盤研究(B)
マグネシウム蒸気をホウ素に作用させてMgB2超伝導多結晶バルクを得る、マグネシウム気相輸送法(MVT法)を開発した。得られた円盤状のMgB2バルクは高い充填率と高い相純度を有していた。臨界電流密度は従来法で作製した試料の約2倍に向上した。これらの結果から、MVT法は、強磁場磁石に不可欠な循環超伝導電流とバルクサイズを向上させることで、MgB2超伝導多結晶バルクの優れた磁場性能を引き出す有効な手法の一つであることが明らかになった。
無機材料および物性関連
本研究では、日本で発見された新しい高温超伝導体の応用に向けて、バルク(塊状)材料の合成に関する研究を行った。マグネシウムの蒸気を活用してバルク材料を合成する新しいプロセスを発明し、従来よりも高性能な超伝導体のバルクを得ることに成功した。この成果は、希少な寒剤を必要とせずに高温で動作可能な、コンパクトな超伝導機器の応用につながるものと期待される。