全く新しい研究アプローチにより、非ドープでは絶縁体とされる新物質への電子・磁気機能発現につなげたことは、これからの新機能物質探索の礎となることが期待できる。SrHfS3は、III-V族化合物を利用して現在実用化されている発光ダイオードが抱える致命的な問題の「グリーンギャップ」(緑色の発光効率だけが悪い)を解決することができる可能性を秘めた新物質であり、SmFeAsOは、高濃度キャリアドープによって50ケルビン程度の超伝導を示すことから、高価な液体ヘリウムを使うことなく、液体水素(温度=20ケルビン)を利用した医療機器MRIなどで使われている超伝導磁石への将来応用が期待できる。
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