研究課題
基盤研究(B)
本研究では、室温で融解する金属ナノ粒子を制御する条件を調べ、それらの金属ナノ粒子を用いて、高分子・繊維材料に金属を組み込む方法を多角的に検討した。試行錯誤による条件の特定によって、金属ナノ粒子を安定な状態から不安定な状態に転換させることが可能となり、幅広い材料に電気伝導性や触媒活性を付与することができた。特に、最終的に生成する金属の構造によって、触媒活性は大きく変化し、条件の調整によっては、触媒活性の高い構造体が発現した。
ナノ材料化学
高分子・繊維材料と金属材料は、私たちの身の回りにあふれ、現代の豊かな社会を支えている基本的な材料であり、それぞれ、独自の有益な性質を持つ。しかし、これらの材料の加工法は、全く異なっており、高分子・繊維材料と金属材料を融合させることは容易ではない。本研究では、金属ナノ粒子を用いて、幅広い高分子・繊維材料を導体や触媒に変える方法を提案しており、室温近傍で簡単に材料加工が可能なことは、大きな利点と考えられる。