現在、臨床において鉄過剰・鉄欠乏に使用される薬物はそれぞれキレート剤と鉄剤に限られる。これは細胞実験レベルでも同様であり、鉄の取り込み・排出を阻害・促進する生理活性化合物は極めて少なく、鉄の可視化化合物を含め、鉄研究に用いることのできる有用なケミカルツールは極めてすくない。そこで本研究では、これまで培ったN-オキシド化学を使った二価鉄検出技術を改良し、二価鉄検出蛍光プローブ高感度と、細胞内二価鉄ハイスループットアッセイシステムを構築することを目指した。さらに、ハイスループット細胞内二価鉄アッセイシステムにより、化合物ライブラリーのHTSを実施し、新しい鉄制御化合物を見出した。
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