分泌蛋白質のほとんどは、小胞体で合成されゴルジ体を経由して細胞外に分泌される。細胞外マトリクスの主要成分である線維性コラーゲンは、その長さが300 nmにもおよび、小胞体からどのように搬出され細胞外まで輸送されるのか不明であった。近年、線維性コラーゲン輸送の制御因子の同定がすすめられ、その中でALG-2はカルシウムに応答する因子である。本研究では、ALG-2の新たな標的蛋白質を同定し、小胞体内腔のカルシウム濃度の恒常性維持に関わる可能性を示した。また、小胞体からの搬出の制御蛋白質候補も新たに同定されており、線維症などコラーゲン分泌の異常が関連する疾患の新奇の創薬標的になることも期待される。
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