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2020 年度 研究成果報告書

カシノナガキクイムシの一次誘引物質の特定とナラ枯れ防除への応用

研究課題

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研究課題/領域番号 18H02240
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分40010:森林科学関連
研究機関京都大学

研究代表者

山崎 理正  京都大学, 農学研究科, 助教 (80263135)

研究分担者 岡田 龍一  神戸大学, 理学研究科, 学術研究員 (20423006)
森 直樹  京都大学, 農学研究科, 教授 (30293913)
池野 英利  兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (80176114)
西岡 正恵 (石原正恵)  京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (90594367)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードナラ枯れ / カシノナガキクイムシ / 寄主選択 / 飛翔生態 / 穿孔行動 / 森林動態
研究成果の概要

カシノナガキクイムシは病原菌を運搬することでブナ科樹木萎凋病(ナラ枯れ)被害をもたらす。昆虫の飛翔を室内でシミュレートするフライトミルを用いて、カシノナガキクイムシの飛翔生態に雌雄差があることを示し、飛翔距離に見られる大きなばらつきの要因を解明した。寄主と非寄主の苗木を用いた選択試験で、カシノナガキクイムシが寄主の樹冠からの揮発性物質に誘引されること、非寄主の樹冠からの揮発性物質は忌避することを示した。カシノナガキクイムシは飛翔後、材の種類に関わらず狭い角度の溝に穿孔することを明らかにした。天然林と二次林での長期森林動態調査により、多様性の減少などナラ枯れの影響を明確に示した。

自由記述の分野

森林昆虫学

研究成果の学術的意義や社会的意義

広大な森林において微小なキクイムシの生態を捉えることは難しい。その飛翔生態や溝への穿孔行動を室内実験で詳細に明らかにしたことは、森林昆虫学の発展に寄与する成果であると同時に、防除計画の立案や防除資材の開発に役立つ成果でもある。カシノナガキクイムシが寄主の樹冠からの揮発性物質を寄主探索に利用していることが示唆されたが、これは野外での誘引トラップの設置方法を再考する必要があることを示している。エネルギー革命に伴う薪炭林の放置が近年の急速なナラ枯れ被害拡大の一因と指摘されている。ナラ枯れが長期森林動態に大きな影響を及ぼしていることが示唆されたが、これは人間の森林利用様式の再考を促す研究成果である。

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公開日: 2022-01-27  

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