研究実績の概要 |
2019年度では、以下の3点について検討した。 1. 単冠白色レグホンの孵卵14日胚から浅胸筋を摘出し、筋管細胞を調製した。L-[5-3H]-トリプトファンとグルコースから1R, 3S)- 1- (D- gluco- 1, 2, 3, 4, 5- pentahydroxypentyl)- 1, 2, 3, 4- tetrahydro- β-carboline- 3- carboxylic acid (PHP-THβC)を合成した。3H -PHP-THβCを培地に添加し、トランスポーターによる糖化アミノ酸の細胞通過の有無を調査した。細胞を一定時間培養後、培地を除去し、細胞を洗浄した。細胞をNaOH/Triton-X溶液で溶解し、液体シンチレーションカウンターを用いて放射能を測定した。その結果、筋管細胞から放射能が検出され、糖化アミノ酸が細胞内へ取り込まれたことが示された。 2. 単冠白色レグホンの孵卵14日胚から浅胸筋を摘出し、筋管細胞を調製した。3H-PHP-THβCを培地に添加し、糖化アミノ酸結合タンパク質の存在を調査した。細胞を一定時間培養後、トリクロロ酢酸を用いて細胞を洗浄し、遊離の3H-PHP-THβCを除去した。タンパク質をNaOH/Triton-X溶液で溶解し、放射能を測定した。その結果、筋管細胞タンパク質画分から放射能が検出され、糖化アミノ酸に結合するタンパク質が存在することが示された。 3. 20日齢の単冠白色レグホン雄ヒナから浅胸筋を採取した。細胞内におけるアミノ酸アマドリ化合物を分解する酵素であるフルクトサミン3キナーゼ(FN3K)の遺伝子発現を定量RT-PCRにて解析した。遺伝子発現は、ハウスキーピング遺伝子であるS17RP遺伝子を用いて補正し、相対検量線法によって発現量を比較した。その結果、ニワトリの筋肉にはFN3Kが存在することが示された。
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