主要なトランスポゾンの1種であるレトロトランスポゾンはゲノム内で増殖し得る遺伝因子であり、生物進化の過程でゲノムサイズや多様性の増大に寄与してきた。その一方で、レトロトランスポゾンの無秩序増殖は宿主細胞や個体にとって脅威となるため、ヘテロクロマチン化やRNA干渉といった機構を生物は獲得し、抑制状態を維持している。ヘテロクロマチン化には抑制性ヒストンマークなどが重要な役割を果たすが、その詳細な分子機構は不明である。本研究では、CG14438と呼ばれる新規レトロトランスポゾン抑制因子を同定し、モデル動物ショウジョウバエのレトロトランスポゾン抑制機構に迫った。
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