研究成果の概要 |
本研究では線虫C. elegansをモデル動物として, 多種多様な環境からのストレスが特定の分子をを経由してどのように識別・処理されているのか, そのメカニズムの解明を試みた. 準備段階の生化学的解析によりMAPキナーゼの活性が経時的に変動している可能性を得ていたことから, この分子のIn vivoでの機能解析を試みた. その中で活性を計測するためのシステムの開発に成功した. 一方で特定の神経細胞としてAVAだけをターゲットに計測を行った結果, 活性の変動は検出されなかった. そこで現在, 全神経細胞の活性を同時に検出するために開発した顕微鏡で網羅的に活性変動を検出することを試みている.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から, In vivoで分子活性を検出するための2種類の顕微鏡を開発することに成功し, 論文化されたことは学術的意義として大きいことと考えられる. 一方で, 生体メカニズムとしてはまだ不明瞭な点が残された. 今後, これらのメカニズムの解析から, ストレス応答の特異性を決定する機構について, さらに知見が積み重なることで, 社会的意義も得られると期待される.
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