特異な性質を持つフッ素官能基群にまつわる未解決課題について,「負の超共役」を制御する観点から検討を行った結果,これまで困難であった様々なフッ素官能基導入法を開発することに成功した。即ち,フッ化アシル基の直接導入試薬の開発,フッ化アシル基部位の新しい合成手法の開発,ペンタフルオロスルファニル基の新合成法の開発,HFC23, HFC125といったフロンガスを用いたトリフルオロメチル化反応,ペンタフルオロエチル化法の開発に成功した。また,トリフルオロメトキシ基,ジフルオロメトキシ基やトリフルオロメチルチオ基を不斉4置換炭素上に持つ化合物を脱炭酸型不斉アリル化反応にて,不斉合成することに成功した。
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