本課題は、隣接する細胞の死の感知にタイトジャンクションが関与するという仮説の検証を行い、その機構について掘り下げることを目標とした。タイトジャンクションを持つ上皮細胞では、隣接する細胞が死ぬとその細胞に接する面にアクトミオシンが集積し、その収縮が上皮シートの修復を助けるが、そのアクトミオシンの集積は、その上皮細胞が隣接する細胞とタイトジャンクションを形成できないと促進することを見出した。アクトミオシンが集積する際に、ミオシンのリン酸化、すなわち活性化を行うキナーゼであるRock2の集積、またRock2を呼び寄せるShroom3が集積することも見出し、分子機構の一端が明らかになった。
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